2015.12.01 Tue

特集企画

【ITベンチャーおしゃれオフィス20選】株式会社メタップス


ITベンチャーおしゃれ20選 メタップス

 

 特別企画「ITベンチャーおしゃれオフィス20選」 第1回目の今回は「株式会社メタップス」にお邪魔してきました。人工知能でビッグデータを活用し、ビジネスの効率を向上させるサービス「metaps」及び「SPIKE」の2つのサービスを軸に、世界8拠点でスマートフォンのアプリケーション(アプリ)収益化事業を展開している企業です。

 

 「metaps」は、アプリの集客・分析・収益化をワンストップで支援するアプリ開発者向けのプラットフォームです。SDKと呼ばれるソフトウェア開発キットを導入するだけで、アプリ運営に必要なダウンロード数やアプリ上での課金などユーザーのさまざまな行動データを収集し、分析、一元管理することができます。また、人工知能を活用して適切なユーザーに適切な広告を配信することで、アプリの収益を最大化します。

 

 「SPIKE」は、手数料無料、専門知識不要、最短1分で導入できるEC(Electric Commerce:電子商取引)事業者に向けた新しいオンライン決済サービスです。手軽に導入できる上、サイトを訪れるユーザーの行動パターンを学習する機能も備えており、人工知能が最適なタイミングを探って販促活動を実施するということもできます。

 

 メタップスは、創業期からグローバル展開を進めており、シンガポール、中国、韓国、アメリカ、イギリスなど8拠点を展開しています。また、2015年の2月に、43億の資金を調達したことを発表し、当時日本最大級ということで、大きな話題となりました。8月には東証マザーズに上場を果たしています。

 

 今回は、CEOの佐藤航陽氏と、人事部長の笠原浩二氏に取材することができました。現在、世界8拠点へ事業展開しながら、13以上の国籍の方が従事する組織のマネジメントの極意、そして、今後のビジョンなどテクノロジーの最先端を行く企業のトップの考えをを聞くことができました。
 

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株式会社メタップス CEO 佐藤航陽氏
 

アプリ、ECで収益を上げるための基盤を提供

 

――ビッグデータと人工知能を活用した事業を展開されているということですが、具体的にはどのような事業を提供されているのでしょうか?

 

佐藤航陽氏(以下:佐藤):事業の主軸は「metaps」というアプリ収益化プラットフォームの提供です。実は、スマートフォン・アプリの開発者の99%は儲かっていないと言われています。そこで、私たちは、彼らがマネタイズできる仕組みを提供、サポートしています。開発者から見ると、面白いアプリができたら、あとは「metaps」を利用すれば、マネタイズをサポートしてもらえるといった、そんなイメージです。当社では、マーケティングのノウハウを蓄積するために試験的にスマホのアプリ運営も手がけており、常にアプリ開発者の目線に立ったサービス開発を続けています。

 

 もう1つの事業、「SPIKE(スパイク)」は、EC向けのオンライン決済サービスです。ECでは、粗利が低い取引が多くあります。この状況を「SPIKE」を通して改善したいと考えました。なので、ユーザーさまが一定のところまで儲からない限り、手数料は頂かないモデルになっています。

 

 従来、ネット上でのオンライン決済は複雑なシステムの導入が必要であり、時間もかかり、手数料も発生するため、粗利の低い事業者や単価の低い商品を扱う事業者にとっては導入のハードルが高いものでした。「SPIKE」は、誰でも簡単に短時間で導入、シンプルな販売ページを作成でき、Web上のあらゆるところでオンライン販売を可能にします。
 

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人事部長の笠原浩二氏
 

ON/OFFの切り替えに気を遣う

 

――オフィスのこだわりを移転前と比較して教えてください。

 

佐藤:実は、移転前は会社が成長して従業員数が急激に増えていたこともあり、オフィスの広さが十分とはいえない環境でした。また、執務スペースとリフレッシュ・スペースの区別がなかったので、やむを得ず会議室で休むということが起きていました。このような状況を改善しようと思い、今回のオフィス移転の際は、メンバーの健康と、ON/OFFの切り替えという2点を意識して、メリハリがつくオフィスを目指しました。同時に、メンバー同士のコミュニケーションが取りやすいオフィス環境・レイアウトを意識して作りました。

 

――ON/OFFのメリハリがつくオフィス、コミュニケーションが活性化するオフィスを作るために、どのような点を意識されましたか。

 

佐藤:まず、メリハリをはっきりさせるために、大きめのリフレッシュ・ルームを作りました。ワークスペースとはテイストも変え、木目を生かしたシンプルなデザインにし、ゆっくりと休憩や食事などができ、メンバーが自由に使えるスペースになっています。また、配置にも気を遣いました。よりメリハリをつけるためにオフィスの一番奥に作りました。

 
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リフレッシュスペース。広々としてリラックスできそうな作り。

 
 エントランスから入ると、会議室→ワーク・スペース→リフレッシュ・ルームと並ぶような形になっています。これは、執務室から移動する方向でONとOFFをはっきりさせることを意識したレイアウトです。ワーク・スペースから奥に向かってリフレッシュ・スペースに移動すれば休憩、手前に向かって会議室に移動すれば打ち合わせと、身体でONとOFFを感じられるようになっています。

 

 そして、メンバー同士のコミュニケーションを活性化させるという点では、執務スペースに仕切りを作らず、開発メンバーとコンサルタント・メンバーを同じフロアに配置しました。お互いの姿が見えるので、気軽にコミュニケーションが取れるような環境になっています。双方のコミュニケーションは、サービスの開発、改善のため、何より事業を進めるにあたりとても重要だと考えています。

 
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ワーク・スペース。開発メンバーとコンサルタント・メンバーを同じ空間に配置。
 

――従業員個々人の働き方についてはどのようにお考えでしょうか?

 

笠原浩二氏:各個人が与えられた環境、場所に適応してパフォーマンスを発揮して欲しいというスタンスです。会社としてはそのパフォーマンスを発揮してもらうために最大限サポートしています。また、メンバーからの提案を受け入れることも多くあります。例えば、リフレッシュ・ルームの色合いやレイアウト、時には、置くお菓子の種類など、さまざまなリクエストがあるので柔軟に受け入れています。Try and Error(試行錯誤)の精神、まずやってみてだめだったら止めるというスタンスが浸透している社風です。

 

情報通信技術が発達した現代だからこそ対面でのコミュニケーションを大切に

 

――御社は世界8カ国に100人を超えるメンバーを抱えています。国境を超えてコミュニケーションを取ることも多いと思います。注意されている点はありますでしょうか?

 

佐藤:メンバーが100人を超えた現在もマネジメントのスタイルは創業時とほとんど変わっていません。創業時から海外に拠点を置いていたので、直接顔を合わせることがない状況でのマネジメントには慣れていると思います。

 

 海外のメンバーとは、毎週ビデオ会議を開いてコミュニケーションを取っています。ただ、対面で話すことも重要だと感じています。そこで年一回、全世界のメンバー全員を、本社がある日本に招集し、対面でコミュニケーションが取れるよう戦略会議やイベントを開催しています。今年は、100人を超えるメンバーが集まり、文化祭のようでした。オフィスから人が溢れ出そうでしたね。

 

 それから、海外の拠点には本社のカルチャーをあまり押し付けないようにしています。生まれ育ったカルチャーを尊重し、活かすためです。その結果、海外拠点それぞれには、拠点責任者のカラーが現れていると思います。それぞれの拠点のカラーはまるで違うと思っているので、責任者とのコミュニケーションはとても大切にしています。話すたびに気付かされることが多くあり、事業展開に活かしてます。

 

――対面でのコミュニケーションを大切にされる理由をもう少し詳しくお聞かせください。

 

佐藤:ビデオ会議などでコミュニケーションを取っていると、お互い伝えたいことがあるのに、細かいところで意味がずれてしまうことがあります。例えば1回会って話をしているとか、一緒にお酒を飲んだことがある相手なら人間性まである程度想像できますよね。テレビ会議中に議論が激しくなったとしても、お互い落としどころは分かると思います。

 

 これが一回も会ってない相手になると、お互い顔もよく知らないし、性格も分からないので、ただ自分の主張を通すように話すと思います。結果として、コミュニケーションは活性化しません。なので、創業時から変わらず、対面での会話を大切にしており、積極的に会社として設けるようにしています。

 

――世界中の拠点をマネジメントされているわけですが、開発、コンサルタントなどの人員配置はどのようにされていますか?

 

佐藤:開発などの技術メンバーは、全員東京の本社にいます。技術に関しては、どこまでの水準を求めるのかという基準をそれぞれのチームが持っていなければならないと思います。私たちの会社では、製品を1つ作るにしても、世界中で使える物にしたいと思っています。1カ所に集まっていないと、なかなかメンバー同士で基準が合わないですね。

 

 一方で、コンサルタントに目を向けると、営業戦略を画一的にして運用することは難しいと思います。拠点ごとにユーザーの環境が違うので、各拠点で柔軟に対応しなければなりません。1カ所に集まらず、拠点ごとに散らばっているのが当然だと思います。

 
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エントランス。ここから奥に入ると会議室→ワーク・スペース→リフレッシュ・ルームの順で部屋を配置していることが分かる。

 

「情報」と「お金」が鍵に

 

――今後、どのような方向に事業を展開されるのでしょうか?

 

佐藤:テーマは2つあります。1つは「情報」です。弊社のサービス、プラットフォームを通して、大量の情報を獲得していくことは、今後の展開を考えてのことです。これからは、産業の種別にこだわらず、幅広い業界で情報を獲得し、人工知能に学習させていきたいです。これが実現できれば、今後更なるチャンスが広がっていくと思います。

 

 もう1つは、「お金」です。現在は決済サービスを提供していますが、銀行や証券など良いアイディアがあればサービスに追加していきたいと考えています。メタップスで、「情報」と「お金」の2つが鍵になると思っています。

 

 もちろんグローバルに展開という方針も継続します。「テクノロジーでお金のあり方を変える」、その時代のトレンドに合った事業を展開していきたいですね。

 

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メタップスの将来について語り合う佐藤氏と笠原氏

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